当院の健診・
予防接種について

当院では各種健診、予防接種に対応しております。予約制となりますのでWEBやお電話、窓口にてご予約ください
健康診断
当院では以下の健診、検診を行っています。価格はすべて税込みです。
一般健診
法定健診、企業健診、雇用時健診、就学時健診などで選択されます。
① 一般健診1(通常コース)
雇用時健診、5年毎の節目年齢の法定健診はこちらを選択ください。
- 項目
- 問診、診察、身体計測(身長、体重、腹囲、標準体重、BMI)、血圧、視力、聴力(オージオメータ)、心電図、胸部レントゲン、尿検査(尿糖、尿蛋白、尿潜血)、血液検査(総コレステロール、中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール、AST、ALT、γGT、血清クレアチニン、血糖値、HbA1c、白血球数、赤血球数、血色素量、ヘマトクリット値、血小板数)
- 費用
- 健診料金表参照
② 一般健診2(採血なしコース)
- 項目
- 問診、診察、身体計測(身長、体重、腹囲、標準体重、BMI)、血圧、視力、聴力(会話法)、心電図、胸部レントゲン、尿検査(尿糖、尿蛋白、尿潜血)
- 費用
- 健診料金表参照
③ 一般健診3(簡易コース)
- 項目
- 問診、診察、身体計測(身長、体重、腹囲、標準体重、BMI)、血圧、視力、聴力(会話法)
- 費用
- 健診料金表参照
特定健診
40~74歳のみよし市の国民健康保険加入者と愛知県内の協会けんぽ被扶養者の方が対象のメタボリックシンドロームに着目した健診です。
- 項目
- 問診、診察、身体計測(身長、体重、腹囲、BMI)、血圧測定、心電図、尿検査(尿糖、尿蛋白、尿潜血)、血液検査(中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール、AST、ALT、γGT、血清クレアチニン、血糖値、HbA1c、赤血球数、血色素量、ヘマトクリット値)
- 費用
- みよし市の国民健康保険加入者は無料です(受診券、保険証、特定健診問診表(事前記入)をお持ちください。詳細はみよし市のHPをご参照ください)。愛知県内の協会けんぽ被扶養者は500円です(受診券、保険証をお持ちください。詳細は協会けんぽ愛知支部のHPをご参照ください)。協会けんぽの被保険者の生活習慣病予防健診は当院では施行しておりません。
後期高齢者健診
みよし市在住の後期高齢者医療保険加入者が対象の生活習慣病の早期発見を目的とした健診です。
- 項目
- 問診、診察、身体計測(身長、体重、腹囲、BMI)、血圧測定、心電図、尿検査(尿糖、尿蛋白、尿潜血)、血液検査(中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール、AST、ALT、γGT、血清クレアチニン、HbA1c、赤血球数、血色素量、ヘマトクリット値)
- 費用
- 無料です。受診券、保険証、問診表(事前記入)をお持ちください。
胸部X線検査
みよし市より発行される受診券をお持ちの方が対象です。
- 項目
- 胸部レントゲン(正面1枚)
- 費用
- 無料です。受診券、保険証をお持ちください。肺がん検診と胸部X線検査はどちらか一つしか受診できません。
がん検診
みよし市より発行される受診券をお持ちの方が対象です。当院では肺がん検診、大腸がん検診、前立腺がん検診が可能です。
① 肺がん検診
- 項目
- 問診、胸部レントゲン(正側面2枚)、必要な方(喫煙指数(1日の本数×喫煙年数)600以上や血痰のある方等)に喀痰細胞診検査
- 費用
- 胸部レントゲンのみは1,300円、胸部レントゲンと喀痰細胞診検査は2,200円
② 大腸がん検診
- 項目
- 問診、便潜血反応検査2日法
- 費用
- 1,100円
③ 前立腺がん検診
- 項目
- 問診、血液検査(PSA検査)
- 費用
- 800円
費用や個人負担金免除制度についての最新情報はみよし市のHPにてご確認ください。
肝炎ウイルス検診
- 項目
- 問診、血液検査(B型、C型肝炎ウイルス検査)
- 費用
- みよし市が発行する受診券をお持ちの方は無料です。その他の方はオプションをご覧ください。
骨密度検診
みよし市より発行される受診券をお持ちの方が対象です
- 項目
- 問診、レントゲン法(DIP法)、指導
- 費用
- 500円
受診券、保険証をお持ちください。記載の費用は2025年度のものです。最新情報はみよし市のHP (「みよし市骨密度検診」で検索)にてご確認ください。
オプション
各種健診に追加いただくものです。オプション検査のみの場合は別途診察料(2,000円)が必要です。
- ①
- 血液検査セット(総コレステロール、中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール、AST、ALT、γGT、血清クレアチニン、白血球数、赤血球数、血色素量、ヘマトクリット値、血小板数)(採血)
- ②
- 糖尿病検査(HbA1c)(採血)
- ③
- 腎機能検査(血清クレアチニン、尿酸)(採血)
- ④
- 便潜血検査2回法(検便)
- ⑤
- ヘリコバクターピロリ抗体(採血)
- ⑥
- 血液型(ABO+Rh)(採血)
- ⑦
- 各種ウイルス抗体検査(採血)
麻疹抗体 風疹抗体 水痘帯状疱疹抗体 ムンプス抗体(おたふくかぜ) HIV1,2抗体 - ⑧
- 梅毒検査(TPHA、RPR)(採血)
- ⑨
- 腫瘍マーカー(採血)
PSA(前立腺)CEA(消化管、肺等)、CA19-9(膵臓、胆道、消化器管等)、CA125(卵巣、膵臓、子宮頸)、その他の腫瘍マーカーも1項目2,500円から承りますが、PSA以外は基本的に癌の早期発見には向いていません(既に癌の診断がついている方の治療効果判定や再発の発見には有用です)のでご了承ください。 - ⑩
- 聴力検査(オージオメータ)
オプションの費用は健診料金表にてご確認ください。
予防接種
小学生以上のお子様と成人の予防接種に対応します。インフルエンザワクチンは乳幼児にも対応します。予防接種は予約制です。お電話、窓口にてご予約下さい。インフルエンザワクチン(注射)、新型コロナワクチンはWEB予約が可能です。当日の体調や問診結果によっては予防接種が受けられないことがありますのでご了承ください。
予防接種には予防接種法に基づき自治体が主体となって実施する定期接種・臨時接種と希望者が各自で受ける任意接種があります。定期接種・臨時接種と一部の任意接種には助成がありますので各自治体にご確認ください。
当院で接種可能なワクチン
予防接種の利点と欠点
予防接種をして特定の微生物に対する免疫力が上がると、その微生物に感染しにくくなったり感染しても重症化せずに済んだりというメリットがあります。一方で予防接種には副反応というデメリットもあります。緊急対応が必要な副反応は重度の即時型アレルギー反応により接種後まもなく呼吸困難や血圧低下、皮疹等をきたすアナフィラキシーです。万一発症した場合は救急科専門医として多くのアナフィラキシー患者様を診療した経験を活かしてしっかり初期対応いたします。緊急対応が不要な副反応として痛みによる迷走神経反射や一時的な発熱、接種部位の腫れなどはよく見られます。ごくまれに心筋炎や心膜炎、脳炎、神経障害などで重症化したり長期に及ぶ健康被害が起こったりすることもあります。これらの後遺症には専門的な評価が必要のため他機関と連携をとりながら対応いたします。予防接種法に基づく予防接種(定期接種・臨時接種)の健康被害には「予防接種健康被害救済制度」、任意接種による健康被害には「医薬品副作用被害救済制度」があります。新型コロナワクチン接種後の副反応に対応する医療体制については愛知県のHPをご参照ください。
ワクチンの種類
ワクチンには従来の生ワクチン、不活化ワクチンの他、メッセンジャーRNAワクチン/ウイルスベクターワクチンなどの新しいワクチンがあります。
- 生ワクチン
- 体に害がないように毒性を弱めた微生物(細菌やウイルス)が原料のワクチンです。弱毒化した微生物が体内で増えて免疫力をつけますので妊婦や免疫力の低下した方は接種できません。接種回数が少なく、4週間ほどで十分な免疫力がつきます。生ワクチン(注射)と生ワクチン(注射)の間は27日以上あける必要がありますが、それ以外の組み合わせに接種間隔の制限はありません。
麻疹、風疹、水痘/帯状疱疹、おたふくかぜ、BCG等が注射の生ワクチンです。ロタウイルス(経口)やインフルエンザ(経鼻)等のワクチンは注射ではない生ワクチンです。 - 不活化ワクチン
- 微生物の体の一部や無害化した毒素、人工的に作られたタンパク質などが原料のワクチンです。微生物が体内で増えない(=不活化)ので免疫力がつきにくく、追加接種するものが多いです。
インフルエンザ(注射)、肺炎球菌、帯状疱疹、B型肝炎、ヒトパピローマウイルス、百日咳、破傷風、ジフテリア、日本脳炎、髄膜炎菌、RSウイルス、ポリオ、新型コロナ(不活化)、A型肝炎、狂犬病のワクチンなどが不活化ワクチンです - メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン/ウイルスベクターワクチン
- 微生物の体を構成する特徴的なタンパク質の遺伝子情報を刻んだDNAやmRNAを注射すると、体内でそのタンパク質が作られ、そのタンパク質に対する抗体ができることで免疫力をつけることができます。新型コロナワクチンで有名になりました。大きくは不活化ワクチンに分類されます。
インフルエンザワクチン(注射)
乳幼児や65歳以上の方、糖尿病の方、肺や心臓、腎臓、肝臓、血液、神経などに慢性疾患がある方、免疫抑制状態の方、妊婦の方、癌の方、著しい肥満の方等、インフルエンザが重症化しやすい方に接種が勧められています。予測される流行型が毎年変わるため年に1回秋から冬にかけてワクチン接種が行われます。
- 接種法:
- 皮下注(3歳未満は1回0.25ml、3歳以上は1回0.5ml)
接種回数の原則は6ヶ月~12歳は2回、13歳以上は1回です
みよし市・豊田市の定期接種対象者(65歳以上または一定の障害のある60歳~64歳で接種券をお持ちの方)は定期接種対象者で、その他の方は任意接種です。費用は予防接種料金表にてご確認ください。中学3年、高校3年の方はみよし市・豊田市の助成がありますので自治体HPにてご確認ください。予約可能時期になりましたらデジスマアプリ、WEB、お電話、窓口にてご予約下さい。
インフルエンザワクチン(経鼻)
注射が怖いお子様には新しい点鼻ワクチン(フルミスト)が2024/25シーズンから使えるようになりました。効果は注射のワクチンに劣らないと言われています。対象者は2歳から18歳までで、左右の鼻腔に0.1mlずつ噴霧し、1回で完了です。生ワクチンですので妊婦や免疫不全患者には使用できません。最長3~4週間鼻から弱毒のウイルスが飛沫する可能性があるため、周囲に免疫不全者や乳児がいる場合は推奨されません。鼻水や咳などの風邪症状がでることがあり喘息をお持ちの方は推奨されません。ゼラチンアレルギー、無脾症、ミトコンドリア病の方等も推奨されていません。これらの方々は注射のインフルエンザワクチンが推奨されています。インフルエンザ迅速検査が陽性となることがあり解釈に注意が必要です。
- 接種法:
- 点鼻
費用は予防接種料金表にてご確認ください。中学3年、高校3年の方はみよし市・豊田市の助成がありますので自治体HPにてご確認ください。流通量が少なく数量限定ですのでご予約はお電話か窓口にてお受けします。
新型コロナワクチン
mRNAワクチン(コミナティ、スパイクバックス、ダイチロナ、コスタイベ(レプリコンワクチン))や組み換え蛋白ワクチン(ヌバキソビッド)があり、いずれも新型コロナ感染症による入院等の重症化の予防効果が報告されています。副反応として注射部位の痛みや頭痛、疲労感、倦怠感、筋肉痛、発熱などが多くみられます。重大な副反応としてショックやアナフィラキシーの他、mRNAワクチンでは心筋炎や心膜炎等が見られることがあります。みよし市・豊田市の65歳以上または一定の障害のある60~64歳で接種券をお持ちの方は2024年10月から年に1回秋から冬にかけての定期接種になりました。
- 接種法:
- 筋肉内注射
費用は予防接種料金表にてご確認ください。予約可能時期になりましたらデジスマアプリ、WEB、お電話、窓口にてご予約下さい。
肺炎球菌ワクチン
肺炎球菌は比較的重症の肺炎や敗血症などの原因になる細菌です。肺炎球菌には細胞壁の周りに分厚い膜(莢膜)があり、人の免疫や抗菌薬による攻撃から逃れやすいという特徴があるため、高齢者や免疫力の低下した方などには予防接種が勧められています。定期接種と任意接種があります。脾臓摘出後の方などは保険適用となる場合もあります。
定期接種
2024年4月以降、以下の方を対象にニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン:PPSV23)の定期接種が行われています。
- ①
- 65歳の方
- ②
- 60~64歳で心臓や腎臓、呼吸器の機能に障害がある方やヒト免疫不全ウイルスにより免疫の機能に障害がある方の内、日常生活が極度に制限されている方(身体障碍者手帳1級程度の方)
ただし、ニューモバックスNP(PPSV23)を過去に一度でも接種したことのある方は対象外です。
みよし市、豊田市の接種券をお持ちの方の自己負担金は2,000円です(生活保護受給者、中国残留邦人支援給付制度に該当する者は無料)。②に該当する方は事前に自治体での手続きが必要です。詳細はみよし市・豊田市のHPをご参照ください。お電話、窓口にてご予約下さい。
任意接種
2025年4月現在成人に使用される肺炎球菌ワクチンは主にPPSV23(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン:ニューモバックスNP)、PCV20(20価肺炎球菌結合型ワクチン:プレベナー20)、PCV15(15価肺炎球菌結合型ワクチン:バクニュバンス)の3種類です(PCV13はPCV20に切り替わります)。PPSV23は90種類以上の血清型のある肺炎球菌のうち感染頻度の多い23種類から莢膜のポリサッカライド(多糖類)を抽出・精製し混合したワクチンです。これらのポリサッカライドに対してリンパ球(B細胞)が抗体を作り免疫を獲得しますが、B細胞の抗体作成能力は徐々に弱まり5年ほどで効果が薄れると言われます。PCVはポリサッカライドに無害化したジフテリア毒素やアジュバントを結合させて免疫原性を高めたワクチンです。リンパ球のB細胞だけでなくT細胞にも作用し免疫記憶が得られるため長期間抗体を作る能力が保たれると言われます。PCV20は20種類、PCV15は15種類の血清型から作られます。
ではどのワクチンをどのタイミングで接種したらよいでしょうか?日本感染症学会/呼吸器学会/ワクチン学会の合同委員会から2024年9月時点での65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種の考え方が公表されていますので参考にしてください。

- 接種法
- 皮下注・筋注
費用は予防接種料金表にてご確認ください。
お電話、窓口にてご予約下さい。
麻疹・風疹・麻疹風疹混合(MR)ワクチン
成人では医療関係者、妊娠を希望する女性やその家族、市町村から接種券が送られてきた方等で、2回接種していない方が対象です。母子手帳で接種歴を確認しましょう。2回接種の記録があれば抗体検査も接種も不要です。1回接種の記録しかない方は2回目を接種します。記録が0回の方は2回接種します。生ワクチンですので、1回目と2回目の間は27日以上開ける必要があります。過去に麻疹や風疹にかかったことがあり予防接種を受けていない方、母子手帳等がなく接種したかどうかわからず、麻疹や風疹にかかったかどうかも判らない方は抗体検査の結果により接種が必要か判断します。年齢等の条件により助成が受けられる場合がありますので各自治体にご確認ください。
- 接種法:
- 皮下注
費用は予防接種料金表にてご確認ください。
お電話、窓口にてご予約下さい。
おたふくかぜワクチン
おたふく風邪(流行性耳下腺炎)はムンプスウイルスの感染症で主に小児に発症しますが、定期接種でないため成人になってから発症することがあります。成人で感染すると重症化しやすく、男性は精巣炎になって不妊の原因になる事もあります。成人の予防接種対象者はムンプスウイルスに対する免疫のない医療関係者などで、すでに2回接種済みの方やおたふく風邪にかかったことのある方は接種不要です。1回しか接種していない方は2回目を接種します。0回の方は2回接種します。それ以外の方(罹患歴や接種歴が不明な方)は抗体検査の結果で判断する場合がありますのでご相談ください。生ワクチンですので1回目と2回目の間は27日以上空ける必要があります。
- 接種法:
- 皮下注
費用は予防接種料金表にてご確認ください。
お電話、窓口にてご予約下さい。
水痘ワクチン
水痘帯状疱疹ウイルス(varicella zoster virus:VZV)が初めて感染した時に発症するのが水痘(みずぼうそう)です。主に小児の病気ですが成人で発症すると重症化リスクが高いと言われます。一度感染したVZVは神経の奥に身を潜め、免疫力が落ちたときに暴れだして帯状疱疹を発症させます。VZVは空気感染をします。水痘ワクチンは2014年10月以降小児の2回定期接種となっています。成人の予防接種対象者は水痘に対する免疫のない医療関係者などで、すでに2回接種済みの方や水痘にかかったことのある方は接種不要です。1回しか接種していない方は2回目を接種します。0回の方は2回接種します。それ以外の方(罹患歴や接種歴が不明な方)は抗体検査の結果で判断する場合がありますのでご相談ください。生ワクチンですので1回目と2回目の間は27日以上空ける必要があります。(帯状疱疹に対する予防接種は次項に記載します)
- 接種法:
- 皮下注
費用は予防接種料金表にてご確認ください。
お電話、窓口にてご予約下さい。
帯状疱疹ワクチン
加齢や疲労、ストレス等で免疫力が弱った時に神経の奥に潜んでいた水痘帯状疱疹ウイルスが暴れだして激しい痛みと水疱を伴う皮疹が出る病気が帯状疱疹です。左右どちらかの胸やお腹に帯状に出ることが多いですが、顔面に出る場合は脳神経が傷害され失明や難聴、顔面麻痺などの危険があり入院治療する場合もあります。神経が傷つくため皮疹が治った後も痛みが残ることがあり、帯状疱疹後神経痛(PHN)と言います。皮疹のウイルスから免疫のない人へ水痘が感染することもあります。帯状疱疹の予防のために発症リスクの高い50歳以上の方を対象としたワクチンがあります。
- 弱毒生水痘ワクチン
- 水痘の場合と違い、帯状疱疹の予防接種は1回のみとなります。皮下注射です。
- 組換え帯状疱疹ワクチン
(シングリックス) - 帯状疱疹の予防のために開発された不活化ワクチンです。生ワクチンよりも効果が高く(生ワクチンの効果が約50%に対し、シングリックスの効果は90%以上)、有効期間が長期間(生ワクチンが5年ほどに対し、シングリックスは10年ほど)にわたります。デメリットは高価であること、2回接種が必要なこと、筋肉内注射で副反応(筋肉痛、疲労感、発熱等)がやや多いこと等です。
費用は予防接種料金表にてご確認ください。
お電話、窓口にてご予約下さい。
2025年4月より帯状疱疹ワクチンが定期接種になり、接種費用の一部が公費負担となります。対象者は65歳の方、60歳以上65歳未満のヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害を有する者として厚生労働省令で定める方で、65歳を超える方については、高齢者肺炎球菌ワクチンと同様、5年間の経過措置として、5歳年齢ごと (70、75、80、85、90、95、100歳※)を位置付ける、となっています。詳細は各自治体のHPをご参照ください。
※経過措置を行う場合、100歳以上の方については定期接種開始初年度に限り全員が対象となります。
2023年度から施行されている50歳以上の方を対象とした帯状疱疹ワクチンの費用助成事業については定期接種化とともに内容が変更される可能性があるため最新の情報を自治体のHPでご確認ください。
B型肝炎ワクチン
B型肝炎ウイルスは血液や体液を介して感染するため成人では主に医療関係者が接種対象となります。ワクチンは0、1、6ヶ月の3回接種で1シリーズとなります。1シリーズ終了の1~2か月後にHBs抗体検査を行い免疫が獲得できたと判断されればその後の抗体検査や追加接種は不要です。1シリーズで免疫が獲得できなかった方(1~2割と報告されています)は2シリーズまで行います。2シリーズでも免疫が獲得できない場合はそれ以上の追加接種をしても免疫が獲得できる可能性が低いと言われています。
- 接種法:
- 0.5ml皮下注・筋注(10歳未満は0.25ml皮下注)
費用は予防接種料金表にてご確認ください。
お電話、窓口にてご予約下さい。
子宮頸がん/ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン
子宮頸がんは若い世代の女性も発症するがんで、ほとんどがヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因であることがわかっています。このHPVの感染を防ぐワクチンが公費で受けられます。対象は小学6年生から高校1年生相当までの女性です。ワクチンには2025年4月の時点で「サーバリックス(2価)」「ガーダシル(4価)」「シルガード9(9価)」の3種類があり、原則初回接種と同じ種類のワクチンを2回または3回接種することになっています。HPVには多くの型があり、9価というのはその内9種類の型を予防できるという意味です。2価と4価で子宮頸がんの原因の50~70%、9価で80~90%が予防できますので、初めて接種する方には9価のシルガードを接種いたします。筋肉内注射です。接種部位の痛みや腫れの他、まれですが重いアレルギー症状や神経系の症状が起こることがあります。重篤な副反応の報告は接種1万人あたり、サーバリックスまたはガーダシルで約5人、シルガード9で約3人とされます。厚生労働省のHPにわかりやすいリーフレットがありますのでご参照ください(「厚生労働省 HPVワクチンリーフレット」で検索)。接種後30分は院内で安静にしていただきます。
定期接種のスケジュールを示します。
- シルガード9(9価)
- 1回目を15歳になるまでに受ける場合:6か月後に2回目を接種※1(計2回)
1回目を15歳になってから受ける場合:2か月後に2回目※2、6か月後に3回目※3を接種(計3回) - ガーダシル(4価)
- 1回目接種の2か月後に2回目※2、6か月後に3回目※3を接種(計3回)。
- サーバリックス(2価)
- 1回目接種の1か月後に2回目※4、6か月後に3回目※5を接種(計3回)
※1 1回目と2回目の接種は、少なくとも5か月以上あけます。5か月未満である場合、3回目の接種が必要になります。
※2-3 2回目と3回目の接種がそれぞれ1回目の2か月後と6か月後にできない場合、2回目は1回目から1か月以上※2、3回目は2回目から3か月以上※3あけます。
※4-5 2回目と3回目の接種がそれぞれ1回目の1か月後と6か月後にできない場合、2回目は1回目から1か月以上※4、3回目は1回目から5か月以上、2回目から2か月半以上※5あけます。
- 接種法:
- 筋注
- 料金:
- 定期接種(接種券をお持ちの方)は無料です。(ただし接種できる期間を過ぎてからは有料です。予防接種料金表にてご確認ください)。接種券と健康保険証、母子手帳をお持ちください。お電話、窓口にてご予約下さい。
二種混合(DT)ワクチン
ジフテリアと破傷風の二種類の病気の混合ワクチンです。ジフテリアは近年日本で発生していませんが、海外での報告はあります。破傷風は高齢者を中心に国内発生の報告があります。ジフテリアと破傷風は10年ほどでワクチンの効果が落ちるため、11歳~12歳を対象に乳幼児期に三種・四種・五種混合ワクチンなどを接種し獲得した免疫の効果を持続させる目的で定期接種を行っています。
- 接種法:
- 0.1ml皮下注
- 料金:
- 定期接種(11歳~12歳の接種券をお持ちの方)は無料です。接種券、健康保険証、母子手帳をお持ちください。
任意接種の場合は百日咳を入れた三種混合(DPT)ワクチンをお勧めします。お電話、窓口にてご予約下さい。
三種混合(DPT)ワクチン
ジフテリアと破傷風は10年ほどでワクチンの効果が落おちますが、百日咳も4~12年で効果が落ちるため百日咳を入れた三種混合ワクチンの接種が推奨されています。11~12歳の二種混合は定期接種(無料)ですが三種混合だと任意接種(自費)になってしまいます。成人では乳児に接触する機会の多い医療関係者や妊婦の接種が推奨されます。不活化ワクチンです。
- 接種法:
- 0.5ml皮下注
費用は予防接種料金表にてご確認ください。お電話、窓口にてご予約下さい。
破傷風トキソイド(破傷風ワクチン)
土壌中等に広く存在する破傷風菌が主に傷口から感染して発症するのが破傷風です。破傷風菌が産生する毒素が神経系に作用し、開口障害から始まり全身の筋肉の硬直や痙攣、脈拍や血圧、呼吸の異常が起こり死亡する事もあります。治療は毒素が原因のため抗菌薬は使わず、毒素の中和剤(抗破傷風人免疫グロブリン)や抗痙攣薬、筋弛緩薬などを投与し、人工呼吸も含めた全身管理を集中治療室で行います。私も症例を経験したことがありますが、日本では毎年100人ほど発症しているようです(国立感染症研究所HPより)。ワクチンによる予防が重要で、日本では乳幼児期(三~五種混合)と11~12歳(二種混合)の2期の定期接種がありますが、それ以外は任意接種となります。成人では1967年以前生まれの人は定期接種になっていないため、破傷風トキソイドまたは三種混合ワクチンの接種歴が3回未満の人は破傷風トキソイドを計3回になるまで接種(1回目と2回目の間は3~8週、2回目と3回目の間は12~18ヶ月開ける)、接種歴が3回以上の人は前回の接種から10年ごとに破傷風トキソイドを1回接種することが推奨されます。不活化ワクチンです。
- 接種法:
- 皮下注・筋注
費用は予防接種料金表にてご確認ください。
なお、破傷風トキソイドを含んだワクチン接種後5年以上経過した方が、動物咬傷や汚染外傷などの治療時に破傷風トキソイドを接種する場合は保険適応となります。
日本脳炎ワクチン
日本脳炎は蚊が媒介する日本脳炎ウイルスに感染し発症します。特異的な治療法がないため予防が重要です。幼児期に第1期を定期接種し、9~12歳で第2期の定期接種をします。以前のワクチンが亜急性散在性脳脊髄炎との関連を疑われ一時期(平成17年度~平成21年度)接種が見合わせとなった時期がありましたが、現在関連はないとされ、さらにワクチンも新しくなりました。特例措置で以下の方は定期接種が受けられますので母子手帳をご確認ください。詳細は自治体のHPにてご確認ください。
- 平成19年4月1日以前生まれで、1期3回が未完了の20歳未満の方→不足分を接種(1期特例)。1回も受けたことのない方は接種日を含まず6日から28日の間隔で2回接種し、その後おおむね1年を開けて3回目を摂取します。
- 平成19年4月1日以前の生まれで2期1回が済んでいない20歳未満の方→1回接種(2期特例)
- 接種法:
- 皮下注
- 料金:
- 定期接種は無料です。接種券と母子手帳、保険証をご持参ください。任意接種の費用は予防接種料金表にてご確認ください。お電話、窓口にてご予約下さい。
髄膜炎菌ワクチン
髄膜炎菌による髄膜炎や菌血症(侵襲性髄膜炎菌感染症)は重症化しやすくヒトからヒトへ感染しやすいため、成人では医療関係者や寮生活者等集団生活を送る方、アフリカ中央部(髄膜炎ベルト)や中近東に出かける方などに予防接種(任意接種)が推奨されています。
- 接種法:
- 筋注
費用は予防接種料金表にてご確認ください。お電話、窓口にてご予約下さい。
発作性夜間ヘモグロビン尿症で治療中の方は保険適応になる場合があります。56歳以上の方への接種は蓄積データが少ないとされます。
RSウイルスワクチン
RSウイルスは飛沫や接触で上気道から感染し多くは風邪症状のみで自然に回復しますが、乳幼児(特に1歳以下)や高齢者(特に慢性閉塞性肺疾患(COPD)やうっ血性心不全などの基礎疾患のある方)では重症の気管支炎や肺炎を発症し死亡することもあります。当院では60歳以上の方を対象としたワクチン接種が可能です(妊婦への接種は産婦人科か小児科にご相談ください)。
- 接種法:
- 筋注
費用は予防接種料金表にてご確認ください。お電話、窓口にてご予約下さい。