慢性疾患について

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経過が長く、うまく付き合っていく必要のある病気が慢性疾患です。生活習慣病や慢性腎臓病など特に自覚症状がない病気も含まれます。定期的にご通院いただくことが重要です。

不眠症

寝つきが悪かったり、途中で何度も目が覚めてしまったり、早朝に目覚めてしまったりなどの「眠れない」症状により、日中にだるさや意欲の低下、集中力の低下などを来す病気が不眠症です。心配事があったり、翌日大事な用事があったりすると全然寝付けないという経験は誰でもあると思いますが、これが何週間も続いたら日中調子が悪くなって辛いですよね。不眠の原因は心配事などのストレスだけではなく、身体疾患による苦痛(心不全や肺疾患、胃酸逆流等で息苦しい・咳が出る・胸が痛い、癌や関節疾患で体が痛い、皮膚疾患で痒い、泌尿器疾患で夜間トイレに何度も行く等)や精神・神経疾患(うつ病、認知症、アルコール依存症、せん妄等)、薬剤(ステロイド、カフェイン等)、特殊な睡眠障害(睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群、周期性四肢運動障害、睡眠時ブラキシズム(歯ぎしり)、概日リズム睡眠障害(夜勤や時差ボケ等))、環境や習慣の問題(遅い時間の食事や深酒、寝る前の強い照明やスマホ、騒音、暑い・寒い等)など様々です。原因により対応法が変わりますので診察時に上記の心当たりがあれば教えてください。必要に応じ専門医療機関と連携します。自分が医師になった頃の睡眠薬はベンゾジアゼピン系薬が主流で、依存性や筋弛緩作用による転倒、認知機能の悪化などが懸念されていました。最近はベンゾジアゼピン系薬を新規で長期間処方することはせず、オレキシン受容体拮抗薬やメラトニン受容体作動薬、抗うつ薬など依存性や筋弛緩作用の少ない薬を個々の患者様に合わせて選択します。加齢とともに生理的な睡眠時間は減っていきます。若いころのように眠れなくても日中特に症状がなければ不眠症とはいえず、睡眠薬は不要です。工場勤務や医療関係者など夜間勤務が多い方は睡眠障害から体調不良が出ることもあり、慢性不眠があると太りやすくなったり、糖尿病や心筋梗塞などの危険が高くなったりすることもわかっています。眠りについて気になる事があればご相談ください。

便秘症

自分は普段便秘になることはないのですが、東日本大震災でJMAT、能登半島地震でDMATとして1週間ほど活動したときは便秘になってしまいました。このような環境の変化や水分摂取の減少で便秘になるのは急性の機能性便秘ですぐに治りますが、慢性的に便秘が続いて日常生活や身体に支障をきたす場合は「慢性便秘症」として診療の対象になります。便秘の原因は様々で、問診、診察、検査により大腸癌などの器質性疾患や糖尿病、甲状腺機能低下症、パーキンソン病、脳血管疾患など腸管の動きが悪くなるような疾患がないか判断します。薬剤の副作用で便秘になることもあります。慢性便秘症の治療はこれらの原因となる疾患の治療に加え、生活習慣の改善や食事療法、薬物療法を組み合わせて行います。市販の下剤を常用している方はそれが適切かどうか判断する必要がありますので受診することをお勧めします。

東日本大震災JMAT活動:避難所の小学校で診察中 能登半島地震DMAT活動:支援先病院リハビリ室で休憩中

貧血

貧血の症状というと立ちくらみを思い浮かべると思いますが、これは血圧が下がりすぎた場合の症状です。貧血は赤血球にある酸素を運ぶヘモグロビン(血色素)の濃度が低い状態なので、全身の臓器が酸素不足になったり、足りない酸素を全身に送るために心臓にムチが入ったりして、倦怠感、疲労感、動悸、息切れなどの症状がでます。慢性的な貧血では体が慣れてしまって無症状の事もあります。貧血の原因は赤血球の産生が低下する場合(鉄や亜鉛、銅、ビタミンB12、葉酸などの材料不足、骨髄の異常、慢性疾患による鉄利用障害、ホルモンの異常等)と喪失が増える場合(出血、溶血、無効造血等)があり、両者を有する場合(出血による鉄欠乏等)もあります。若年女性では生理やダイエットによる鉄欠乏性貧血が多いですが、男性や高齢者では消化管出血や悪性腫瘍、慢性炎症性疾患、慢性腎臓病などが多いです。原因をしっかり検索しながら治療に当たります。
貧血の中で最も多いのが鉄欠乏性貧血です。鉄が足りなくなると貧血以外にも氷を食べたくなる異食症や夜の脚のつり、むずむず脚、爪のスプーン状変形、舌表面の平滑化などが見られることもあります。治療は鉄剤の内服ですが吐き気や腹痛の副作用でどんなに飲み方を工夫しても飲めない方もいます。その場合は注射薬による治療も選択されますのでご相談ください。

頭痛

いつもと違う激しい頭痛がした時は救急車を呼ぶこともあるでしょう。前勤務地の救急搬送症例の解析(院長紹介ページ学会発表16)では、頭痛が主症状の方は全搬送例の約2%で、その内4人に1人はくも膜下出血や脳出血、髄膜炎など入院が必要な疾患でした。頭痛が起きた瞬間に何をしていたかを言える場合は「突然発症」と考えられくも膜下出血や脳出血、動脈解離、可逆性脳血管収縮症候群(RCVS)など重症疾患の可能性があります。過去に診たくも膜下出血の方も「テレビを見ていて笑った時」「車に乗っている時」「風呂に入る前」「痛みで目が覚めた」など頭痛が起きたときのことを語ってくださいました。このような「これまで経験したことのない頭痛」や「突然発症の頭痛」は重症疾患の可能性があるので救急車を呼ぶことになると思いますが、それ以外の頭痛では歩いて受診されることが多いでしょう。頭痛で受診された場合はまず問診と診察で緊急性を判断し、必要に応じて連携医療機関でCTやMRIをお撮りいただきます。脳卒中や脳腫瘍、外傷、感染など原因となる病気が明らかな頭痛は二次性頭痛といい専門医療機関での治療が必要です。頭痛で受診した方が、閉め切った部屋で炭を焚いたことによる一酸化炭素中毒だったり、緑内障発作や急性副鼻腔炎だったりしたこともありました。頭痛薬の使い過ぎで起こる薬物乱用頭痛というのもあります。CT/MRI/髄液/血液などの検査で異常がなく、薬物乱用など原因となるものもない頭痛は一次性頭痛といい、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛などがあります。

片頭痛は動くと悪化する(ので動けない。頭を下げたり振ったりしても悪化)、心拍に合わせてズキンズキンと痛む、吐き気や嘔吐がある、72時間以内に(多くは4~24時間で)治まる、光や音に過敏になる(ので暗い部屋で布団を被っていたい)といった特徴があり、目を閉じても稲妻のような光が見える等の前兆がある場合とない場合があります。片頭痛発作時の治療は軽症の場合はアセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を使用し、これらが無効時や日常生活に支障をきたす中等度以上ではトリプタン製剤を使います。トリプタン製剤はセロトニン受容体に作用して脳の血管を収縮させたり炎症を抑えたりして痛みをとる薬で頭痛発症早期(1時間以内、可能なら30分以内)に使用すると効果があります。薬は数種類で投与法も経口、点鼻、注射などがあり、自分に合ったものが見つかるまで色々試すことになります。発作前に不安で使用すると薬物乱用頭痛の原因になることがあり、1時間以上たってからでは無効のため使用するタイミングが難しいです。血管が収縮するので狭心症や心筋梗塞、脳血管障害、末梢血管障害などがあると使用できませんし併用禁忌薬もあります。2022年6月から血管収縮作用を持たないセロトニン受容体作動薬であるジタン製剤が使えるようになりました。これは発症1時間以降に使用しても有効と言われますが、眠気やめまいがでるので運転や機械操作はできません。片頭痛の予防は適切な睡眠、ストレス回避、暴飲暴食しないなどの生活習慣の是正を基本とし、発作が月に2回以上や、月に3日以上日常生活に支障があるような場合は予防薬を考慮します。カルシウム拮抗薬や抗鬱薬、バルプロ酸、漢方薬などが使われますが、2021年4月より片頭痛に関与するCGRPという痛み物質の働きを抑える注射薬が使われるようになりました。この注射薬は当院では採用していないため必要時は専門医療機関に紹介します。

緊張型頭痛は締め付けられるような両側の頭痛で、片頭痛と比べると動ける、吐き気がない、頭が動かせる、拍動しない、72時間以上続くこともあるなどの違いがあります。姿勢の問題やストレスなどで首や背中の筋肉が凝ったり神経が過敏になったりすることが原因と言われますがよくわかっていない部分も多く、機能性身体症候群(FSS)の一つです。頭痛発作時はアセトアミノフェンやNSAIDsを使いますが薬物乱用頭痛に注意が必要です。予防には生活習慣の改善(長時間同一姿勢を避ける、正しい姿勢を心がける、運動する、肩や首を温める、規則正しい生活、適切な高さの枕など)を基本とし、抗鬱薬や漢方薬などを使うこともあります。頭痛でお悩みの方は受診してください。

花粉症

花粉が原因の季節性アレルギー性鼻炎が花粉症です。ダニなど花粉以外が原因のものや、非アレルギー性のもの(血管運動性鼻炎、好酸球増多性鼻炎、感染症等)との鑑別のために、詳しい問診や検査が必要です。花粉症の治療は①花粉の回避(眼鏡、マスク、屋内に花粉を入れない工夫など)、②重症度に応じた薬物治療(内服、点鼻、点眼など)、③アレルゲン免疫療法などを組み合わせます。アレルゲン免疫療法はアレルギー反応が出ない位の少量のアレルゲンを長期間・年単位で繰り返し投与することで体が慣れてアレルゲンを外敵と認識しなくなりアレルギーを出にくくさせる治療です。スギ花粉症とダニアレルギー性鼻炎には錠剤による舌下免疫療法があります。

気管支喘息

喘息の基本病態は①慢性炎症と②気道過敏性です。炎症といえば細菌やウイルスなどの外敵を退治するための免疫反応で熱がでたり赤く腫れたり痛くなったりする急性の状態を思い浮かべると思いますが、この免疫反応が長期間続くのが①慢性炎症です。①慢性炎症では白血球などの免疫細胞から少しずつじわじわと炎症を起こす物質(炎症性サイトカイン)が分泌されるため熱や痛みなどの症状がでないことがほとんどです。気管支などの気道で①慢性炎症が起こると、冷たい空気や煙などのちょっとした刺激に過敏に反応して気管支が腫れたり収縮したりして(②気道過敏性)、空気の通り道が狭くなって「ヒューヒュー」言って呼吸が苦しくなります(喘息の発作ですね)。喘息の薬物治療は①慢性炎症を抑えるステロイドを吸入し発作を予防することが基本です。気管支拡張作用のあるβ2刺激薬との合剤を吸入することも多いです。通常量の吸入薬治療でも発作のコントロールが不良の場合はその原因を考えて対応する必要があります。喘息の慢性炎症には好酸球(白血球の一種で寄生虫の退治やアレルギー等に関与)や肥満細胞(急性アレルギー参照。IgEと関連)が関与する「2型炎症」と、主に好中球(白血球の一種で主に細菌退治に関与、白血球中通常は最多)が関与する「非2型炎症」があります。「2型炎症」と「非2型炎症」では喘息の管理方法に違いがあります。鼻炎や慢性副鼻腔炎が合併する場合はそれらの治療で喘息が改善することもあるため耳鼻科と連携します。消炎鎮痛剤による喘息(アスピリン喘息)ではほぼ全例に慢性副鼻腔炎が合併します。睡眠時無呼吸で喘息が悪化することがあります。肥満では非2型炎症でステロイドが効きにくい、睡眠時無呼吸になりやすい、呼吸機能が低い等により喘息が重症化しやすいため減量が必要です。胃食道逆流症、喫煙、感染、気管支拡張症、薬剤、ストレス、不眠なども喘息の悪化要因です。喘息だと思っていたら心不全だったということもあります。アレルギーによる2型炎症ならアレルゲンの回避、喫煙していれば禁煙、吸入薬の使い方が悪ければ再指導や薬の変更等の対応が必要です。喘息の方で急に手足のしびれがでたときは好酸球性多発血管炎性肉芽腫症という早期対応が必要な血管炎であることもあります。喘息も人それぞれです。「ヒューヒュー」言って息苦しいことがあれば受診してください。

慢性腎臓病(CKD)

尿をつくる臓器である腎臓が障害されその機能が慢性的に(3ヶ月以上)低下した状態が慢性腎臓病(CKD)です。尿がうまく作れなくなるほど悪化すれば体に水や尿毒素が貯まってむくみや息切れ、吐き気などの症状がでますが、それまでは自覚症状がないのが普通です。CKDには表で示すような腎障害の程度(蛋白尿)と腎機能の程度(採血・年齢から算出するeGFR)から評価する重症度があり、重症度が高いほど透析が必要な末期腎不全の他、心血管疾患(心不全、脳卒中等)になりやすく、死亡率も高くなる事がわかっています(図参照)。腎臓の異常は循環器疾患と深い関係がありますので健診等で異常を指摘されたら放置せず受診してください。受診いただいたら重症度を評価します。Tanaka先生らの日本人を対象としたCKDステージごとの心血管疾患罹患率と全死亡率の図をみると、ステージ3a(G3a)と比べると3b(G3b)以上で急激に心血管疾患、脳血管疾患、心不全、全死亡が高くなっているのがわかります。もしCKDになってもG3aより進行しないようにしたいところで、日本腎臓学会のガイドラインでも蛋白尿区分がA1でもGFR区分がG3b以上など表の橙色と赤色の重症度の場合は腎臓専門医と連携をとって治療することが推奨されています。黄色の重症度でも40歳未満だったり血尿があったりした場合は連携が推奨されています。治療は原疾患(糖尿病や高血圧等)の管理と生活指導、薬物療法を個々の患者様に応じて組み合わせて行います。異常を指摘されたら放置して手遅れにならないように受診してください。

表 CKD重症度分類

原疾患 蛋白尿区分 A1 A2 A3
糖尿病関連腎臓病 尿アルブミン定量(mg/日)
尿アルブミン/Cr比(mg/gCr)
正常 微量アルブミン尿 顕性アルブミン尿
30未満 30~299 300以上
高血圧性腎硬化症、腎炎、多発性嚢胞腎、移植腎、不明、その他 尿蛋白定量(g/日)
尿蛋白/Cr比(g/gCr)
正常(-) 軽度蛋白(±) 高度蛋白尿(+~)
0.15未満 0.15~0.49 0.50以上
GFR区分(eGFR: mL/分/1.73m2) G1 正常または高値 ≧90
G2 正常または軽度低下 60~89
G3a 軽度~中等度低下 45~59
G3b 中等度~高度低下 30~44
G4 高度低下 15~29
G5 高度低下~末期腎不全 <15

図:日本人のCKDステージごとの心血管イベント罹患率と全死亡率(Tanaka K. et.al. Kidney Int 2017;91:227-34より)

1000人あたりの年間罹患数の図

Per 1000 person-years:1000人あたりの年間罹患数、Cardiovascular events:心血管疾患、Myocardial infarction:心筋梗塞、Cerebrovascular disease:脳血管疾患、Congestive heart failure:うっ血性心不全、Others:その他、Cardiovascular death:心血管死、All-cause death:全死亡、Stage 3a等はG3a等と同じ。Stage3aと比べると3b以上で急激に心血管疾患、脳血管疾患、心不全、全死亡が高くなっているのがわかります。

骨粗鬆症

前勤務地に救急搬送された症例の14%が交通事故以外の外傷(学会発表6、16)で、転んで歩けなくなった高齢の方が多かったです。高齢の方が転んだり尻餅をついたりして起こす大腿骨頸部骨折や脊椎圧迫骨折は寝たきりも含めた要介護状態の原因にもなります。これらの骨折の背景にあるのが骨がもろくなる病気、骨粗鬆症です。骨粗鬆症は加齢の他、閉経による女性ホルモンの減少、ステロイド等の薬剤、内分泌疾患などが原因になります。骨粗鬆症の診断には骨折歴の聴取と骨密度測定が必要です。治療薬は投与方法や間隔が様々な内服薬や注射薬から個々の患者様に合わせて選択します。少なくとも2年以上の長期治療が必要で、各々の薬により想定される副作用に注意しながら定期的に診察や採血をいたします。

逆流性食道炎

胃食道逆流症(GERD)

認知症

認知症は「一度正常に発達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続的に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態」と定義されます。せん妄などの意識障害、うつ病などの精神疾患、薬剤による影響、甲状腺機能低下症等の内分泌代謝性疾患、ビタミン欠乏、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、てんかんなど別に治療法のある疾患を除外する必要があるのと、認知症にはアルツハイマー型、血管性、レビー小体型、前頭側頭型、混合型などの分類があり、個々の患者様にあった診療が必要であるため、詳しい検査のできる専門医療機関と連携して診療いたします。
認知症は早期発見、早期対応が重要です。早期発見することで患者様自身が病気を理解してその後の備えができたり、薬で進行を抑制したり、各種の支援情報を入手したりすることができます。年齢相応とは言えない認知機能障害があっても日常生活に支障がないものを軽度認知障害(MCI)といい、アルツハイマー病によるMCIに対しては専門医療機関で使用できる新薬もでてきています。早期発見といっても認知症の型によって症状が様々であり難しいですよね。最も多いアルツハイマー型の初期症状は「同じ事を何度も尋ねる、同じ物を買ってしまう、予定を忘れる」といった記憶障害が多いと言われますが、意欲の低下等のうつ症状が先行することもあります。連携医療機関の健診センターでは脳ドックで認知機能を評価し早期発見の手助けをしてくれるところもあります。本人が自覚しておらず、ご家族が気づいて一緒に受診されることも多いです。
認知症の患者様とそのご家族が住み慣れた地域で安心して暮らしていけるように、ケアマネジャーを中心とした多職種と連携しながら主治医としてできる限りの治療や支援を行いたいと思います。

アルツハイマー病はアミロイドβの蓄積などにより徐々に脳細胞が傷害されるもので、長い無症状の時期を経てMCI、認知症へと進行します。

フレイル

加齢により体の色々な機能が衰えて介護が必要になる手前の状態がフレイルです。フレイル対策をすることは、寝たきりなどの要介護状態を予防することにつながりますので自分も含め皆さん興味あることだと思います。日本におけるフレイルの判定基準(2020年改訂J-CHS基準)は以下のごとくです。

項目 評価基準
体重減少 6か月で2kg以上の(意図しない)体重減少
筋力低下 握力:男性<28kg、女性<18kg
疲労感 (ここ2週間)わけもなく疲れたような感じがする
歩行速度 通常歩行速度<1.0m/秒
身体活動 ①軽い運動・体操をしていますか?
②定期的な運動・スポーツをしていますか?
上記2つのいずれも「週に1回もしていない」と回答

判定基準

3項目以上に該当:フレイル、1~2項目に該当:プレフレイル(フレイル予備軍)、該当なし:健常

フレイルには筋力や歩行能力の低下といった身体的側面だけでなく、認知症やうつ病などの認知・精神・心理的側面、独居や経済的困窮などの社会的側面といった多面性があり、それぞれに介入することで健常への回復や現状維持ができるようにすることが重要です。フレイル予防の3本柱は運動、栄養、社会参加です。散歩や体操などまずは自分でできることを頑張り、しっかりと栄養を摂り、医療や社会的支援が必要な場合はクリニックや行政を頼るのも良いでしょう。行政による介護予防の取り組みは各自治体のHPに載っていますのでご覧ください。みよし市にはオリジナルのフレイル予防体操(よしよし体操)があります。